
| 第十四回のころねっとセミナーは、元愛知県精神保健センター相談員で現在、少年院の篤志面接委員として少年たちと心の交流を図っている大竹文子先生を講師にお招きしました。なお、大竹先生は、「ころねっと癒しの電話」の顧問でもあります。 今回は、講師と参加者の垣根をなくしたいという大竹先生のお考えから、会場を車座にしてセミナーを実施しました。テーマは、「家族関係と傷ついた子どもたち」です。 |
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| 今、学級崩壊という言葉がマスコミをにぎわしていますが、私が教員をやっていた昭和二十五年ごろでも、授業中に席を立って歩き回る子がいました。けれども、それで大騒ぎをすることもなく、その子たちも小学校を卒業していきました。その後、日本の国が豊かに、金持ちになるにしたがって、学校に対する親の意識も変わり、大変な事態に発展したように思います。 以前、ある中学生のグループが浮浪者に暴行を加えるという事件がありました。その事件でグループが警察に補導されました。そのリーダーの両親はたいへん混乱して、カウンセリングを受けに来ました。お母さんは、自分の子どもが悪いことをしたという意識がほとんどなく、子どもの成績や高校入試のことばかり気にしていました。「一つまちがえば少年院行きですね」と言ったことによって、お母さんは「少年院だけには行かせたくない」と変わっていきました。 ところで、みなさんは少年院に対してどんなイメージをお持ちでしょうか。私は篤志面接委員として毎月、少年院に行っていますが、悪いイメージはありません。確かに、集団生活の規律は厳しいですが、指導をする先生たちは人間味のある人たちです。 少年院に入ってくる子どもたちは、悪い子ではなく、かわいそうな子です。また、子どもだけでなく、その親が問題をかかえていることも多いと思います。そんな場合は、少年院で立ち直ったように見えた子どもでも、家庭にもどると、また駄目になってしまうことがあります。 私が面接を担当していたある子どもは、少年院から出たくないと言っていました。退院が近づくと、脱走をしてわざと捕まって退院を遅らせたいと言いました。その子は、物心ついたときから施設で暮らし、家族というものを知らないで育ちました。そして、いつしか施設に依存しないと生きていけなくなってしまったのです。私はその子に、「自立するためのプライドを持って生きなさい」と話しました。その言葉が役に立ったかどうか分かりませんが、今ではその子も立ち直り、少年院を出て立派に社会生活を送っています。 また、別の子は「親のいない子はそれであきらめがつくが、親に捨てられた子の恨みは消えない」と言いました。話を聞いて、私も涙が出てきました。「一生、恨みは消えないね」と言ったことで心を開いてくれるようになりました。 最後に、少年院の子どもが作った詩を紹介して、私の話を終わります。
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(文責・編集部) | ||||||