ころねっとセミナーだより 〜セミナー議事録〜

第24回セミナーだより
 第二十四回のころねっとセミナーは、前回に続いて家族カウンセリングルーム主宰の寺本和子先生を講師にお招きしました。寺本先生には「家族関係を変化させるアプローチ」というテーマで三回のご講演をお願いしましたが、今回はその最終回です。今回のサブテーマは、「自分をつくる家族」です。
 家族の問題は、家族関係がうまくいっていなければ解決できません。(下段にある)表のように、家族と個人にはさまざまな発達課題がありますが、六つの段階のそのとき、そのときに問題が起きます。起きた問題をその段階で解決しないで次の段階に持ち越すと解決が一層困難になります。
 個人にある問題(症状)が表れたとき、それは個人一人の問題ではなく、家族の問題として解決しなければなりません。そうでないと、その個人が回復しても、他の家族が発症することがあります。また、その個人が発症していることで、他の家族が安定していられるということも考えられます。
 家族は、問題が起きる場だけでなく、それを解決できる場でもあります。外見的にはよくても、内側に問題を抱えている家族が多いと思います。問題が起きるのは、家族というシステムが病んでいるのであって、たまたまある個人に症状が表れているにすぎません。ですから、個人だけを対象にして、治療を試みてもなかなか効果が見られません。家族のシステムをどう変えていくかということが課題になるでしょう。そういった意味で、個人ではなく家族でカウンセリングを受けるのもいいことです。
 新しい自分をつくるために、心にとどめておくことがいくつかあります。第一点は、他人と過去は変えられないということです。つぎに、他人を変えようとしないで今の自分の行動を変えることです。また、誰の問題かを考えて、自分の問題でないことは本人に返すことも重要です。家族のシステムに巻き込まれているときには、周囲の状況が分からなくなっています。そんなとき、自分を客観的に見つめる機会をつくるために有効なのが、日常生活に意外性を見つけることです。
 心理的に自立するには、小さい頃から自己決定ができるように育てる必要があります。大人になっても自立できない、自分の問題は親のせいだという思いにとらわれているのは、自己分化が低いせいかもしれません。また、自己決定ができないことを別の観点から見れば、優しいから親のことを切り捨てられないのかもしれません。親から離れ、心理的に自立するには、親を許していく心を育てていくことが大切だと思います。
家族システムの発達課題 個人の発達課題
1.家からの巣立ち:
独身の若い成人期
a.源家族からの自己分化 親密性vs孤立
職業における自己確立
経済的自立
2.結婚による両家族の結合:
新婚期・家族の成立期
a.夫婦システムの形成
b.夫婦相互適応性の確立
c.実家の親とのつき合い
d.子供を持つ決心
友人関係の再編成
3.幼い子どもを育てる時期:
家族の拡張期
a.親役割への適応(夫婦連合)
b.子供を包含するためのシステムの調整
c.実家との新たな関係の確立
世代性vs停滞
第2世代
 基本的信頼vs不信
 自立性vs恥・疑惑
 自主性vs罪悪感
 勤勉さvs劣等感
4.青年期の子どものいる時期:
家族の拡散期
a.柔軟な家族境界
b.中年期の夫婦関係と職業上の再編成
c.祖父母世代の世話
第2世代
 同一性確立vs同一性拡散
5.子どもの巣立ちとそれに続く時期:
家族の回帰期
a.夫婦システムの再編成
b.成人した子どもとの関係
c.祖父母世代の老化・死への対処
第2世代
 親密性vs孤立
 (家族ライフサイクルの第一段階)
6.老年期の家族の時期:
家族の交替期
a.新たな夫婦への昨日・社会的役割の取得
b.第2世代が中心的な役割を取れるよう支持
c.老年の知恵と経験を包含
統合vs絶望
 配偶者・同胞・仲間の喪失への対処
 自分の死への準備

(文責・編集部)
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