| 第30回セミナーだより |
第三十回のころねっとセミナーは、あるく相談室室長でソーシャル・ワーカーの小寺明美先生をお招きして、パネル・ディスカッションを行いました。当会にとって、パネル・ディスカッションは初めての試みでしたが、多くの出席者を得て、充実した会になりました。今回のテーマは、「自分を変える、関係を変える」です。
なお、本年十二月に、パネル・ディスカッションのパート2を開催する予定です。ご期待ください。 |
- 1.体験発表・Aさん(四十代・女性)
- 五年前に子どもが不登校になった。そのことが家族のつながりや自分のことを見つめなおす機会になり、ACという言葉を知ることになった。
当時の自分は、外で評価を得ようと頑張りすぎていた。家庭では、子どもをコントロールしようとしていた。そのために、機能不全の家庭になっていたかもしれない。
- 2.体験発表・Bさん(二十代・男性)
- 父親との関係で悩みがある。口では「自立しろ」と言いながら、態度は溺愛に近く、精神的な安定感が得られない。「男らしさ、女らしさ」ということに、こだわりをもっている。
現在は、一人暮らしで、以前勤めていた仕事をやめて、新たな仕事につき、経済的にも、精神的にも自立することを目指している。
- 3.感想・Cさん(四十代・女性)
- 現在、私自身にACとしての自覚はない。
AさんやBさんのように、家族のことで大きな苦痛を得たことはないが、自分と家族の関係は濃密でなかったと思う。二人の方の話を聞いて、人と人との関係がとても重要だと感じた。
- 4.感想およびコメント・小寺先生
- Aさん、Bさんのふたりの話を聞いて、語ることで回復していくということを改めて感じた。
以前、このセミナーでも話したが、ACは、アルコール依存症の治療の中で生まれた考え方だ。アルコール依存症は、医療だけでは回復できない。回復するためには、依存するということに目を向け、人間関係を変えていくことが必要である。そのためにも、語ることで新たな物語を作り、関係を変えていくことが大切である。
最近、注目されている治療法に、ナラティブ・セラピーというものがある。それも、「語る」ということを重視している。「自分って、どんな人間?」
「自分はどんな物語の中で生きているのか?」
こうした問いかけに答えながら、新しい物語を作っていくことが回復に向かう道だと思う。
親の書いたシナリオによって、現在の自分が混乱していることがある。ACだという自覚が生まれた後は、親のシナリオとは違った物語を自分で作ればよい。カウンセリングやグループワークで話をすることは、新たな物語を作るという行為につながっている。
話をすることで、体験を整理できる。さまざまな過去の出来事や自分の思いが混乱していても、話をすることで、それらと少し距離を置くことができる。そこから、新たな希望が生まれ、そして自分を変えるための新しい物語を作ることができる。物語を作るときに、世間の常識に縛られる必要はない。 ACの苦しみの中で大きな比重を占めるのは人間関係だが、他人を変えるのではなく、自分が変わることによって、関係も変化するだろう。
- 5.セミナー参加者のアンケートから
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- 久しぶりに小寺さんのお話を聞いて元気になれました。
- 自分自身は「AC」という自覚はなく、この会に参加させて頂きましたが、AC的な悩みは誰もが持つ持つものだと感じさせられました。
- 体験発表を聞いて、苦しい思いをしているのは自分だけじゃないということが実感できて良かった。
- 初めてこのセミナーに参加しましたが、もっと前から参加すればよかったと思います。いつもは、「ころねっとつうしん」 のセミナーだよりを読ませていただくだけでしたが、実際にここに来て話を聞くと、もっといろんなことがわかるような気がします。
- 自分だけのことだけ考えて生きてきたような気がする。人の話を聞いて、ちょっとだけかもしれないけれど、自分を客観的に見られるようになったかな……。
- セミナーに行こう、行こうと思っているのに、なかなか外に出られなくて、今日、やっと女性会館に来ることができました。小寺先生やいろいろな方のお話を聞くことができて、本当によかったです。私にとっては、自分の意志でセミナーに 参加できた歴史的な日です。
- いお話を聞かせて頂き、ありがとうございました。多くの方がこういう会で発表できることを知り、参加して気持ちのよい生き方ができるといいと思います。
- よいお話を聞かせて頂き、ありがとうございました。多くの方がこういう会で発表できることを知り、参加して気持ちのよい生き方ができるといいと思います。
- あっという間に、時が過ぎてしまいました。「語る」……何を語るのだろう。最近、起こった出来事?人間関係について?何を語るのだろう?父が死んでホッとした。親が嫌いでもいいのですね。罪悪感を持たなくてもいいのですね。
- 「語る」ということの重要性は、自分なりに感じている。しかし、自分の周りには、なかなかそのような環境がない。このような場(ころねっとセミナー)があるということを知ることができてよかった。
- 「自分を語る」ということが、よくわかりました。
- Aさんの話を聞いて、自分の家庭とオーバーラップしてしまいました。私の母はAさんと違って、まだ、まだ、自分のことに気が付いていません。
- 今日の話を聞いて、まだ、自分の方がひどい体験をしている と思いました。Aさんが、自分のお父さんが亡くなったことを話していましたが、そのときの感情は「ほっとした」ということなのでしょうか。(私は、自分の父が死んだら、そう表現したいです。)聴いていて全然笑えないです。
- 親との関係が問題だという概略は理解できたが、その親がなぜ、そうなったのかという点の掘り下げがもっと欲しかったと思います。アルコールのみならず、いろいろな要因があるはずで、それが知りたかった。
- いろんな人の話が聞けてよかったけど、もう少し専門的な話やアドバイスも聞きたかったです。
- ACからの回復が進んでいる人のお話を聞きたいと思っています。できれば、どのような事をされてきたのか、知りたいと思います。例えば、ワークは、どのようなワークをされたとか、どのような行動をされてきたとか。どのようなことが、自分にはよかったとか。
- 時間が足りないと思った。体験発表も、もう少し詳しく話を聞きたかった。
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(アンケートを除く文責・編集部)
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