![]() |
|
第51回セミナーだより
|
| 今回のころねっとセミナーは、「ハルカウンセリング」の主催者・石松奈美子先生(臨床心理士)の三回にわたる講演の最終回です。テーマは、「人をできるだけ傷付けずに自分の気持ちを伝えるには?」です。 |
| 人に自分の気持ちを伝えたときに、自分も相手も傷付くことのないやり取りが日常生活の中には存在します。それに対して、相手を傷付けたり、自分が傷付いたりするやり取りもあります。今日は、そうした問題に焦点を当ててお話をしたいと思います。 はじめに注意してほしいのは、他人を「絶対に傷付けない」 ようにするのではなく、「できるだけ傷付けない」ように心がけるということです。そして、もし、相手を傷付けてしまったら、フォローすればいいのです。 人に気持ちを伝えることのメリットは何でしょうか?自分の胸の内を口に出せばスッキリしますね。また、互いに話の内容や気持ちを受け入れることができれば、分かり合うという喜びもあります。 人に気持ちを伝えることにはデメリットもあります。それは、どちらか、あるいは双方が傷付くということです。そのデメリットをできるだけ最小限にとどめるためには、何をすればよいでしょうか。 自分の言いたいことが自分自身でよく分からないまま話をしているときや相手に伝わる言い方をしていないときに誤解が生じやすいのですが、相手を傷付けるのを恐れるあまり臆病になって、人とのコミュニケーションを避けてはいけません。先ほども言いましたが、もし、傷付けてしまったときには、ほっておかないでフォローすればいいのです。 人に気持ちを伝えるときに、一番大切なのは「ためずに出す」ということです。何か伝えたいことがあっても、遠慮したり我慢してためておくことはよくありません。自分の心にためておくうちに最初に感じたことだけでなく余分なものが付着してしまうからです。相手に伝えたいこと、言いたいことがあったら、ためないで出すようにしてください。 つぎに大切なことは、「無理をしないこと」です。強引に押しつけたり、相手を無視して自分の言いたいことを口にすることはよくないですね。この人は私の話を受け入れる状況にないと思ったら、とりあえずその場は切り上げた方がいいです。無理をすればするほど、自分に余裕がなくなって、伝えることが困難になります。 コミュニケーションの場では、臨機応変にとっさに判断しなければならないことがたくさんあります。的確な判断は経験を積み重ねることから生まれますから、人とのコミュニケーションを避けずに場数を踏んでください。 人の話を黙って聞くというのは難しいことですが、黙っているときに単なる受け身ではなく、相手の気持ちを分かろうすることが大切です。自分の話をきちんと聞いてくれる人の話は、相手も聞く気になるからです。 コミュニケーションをとるときに重要なことは、相手と自分の人間性と行動選択の自由を共に最大限尊重するということです。自分が相手をコントロールすることもできないかわりに、自分も相手からコントロールされる必要はありません。そして、相手も自分も納得して行動すればよいのです。 |
(文責:編集部/講演日:2002年 6月 9日) |