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第57回セミナーだより
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| 第57回のセミナーでは、前回に続いて臨床心理士の浅田伸史先生をお招きし、「回復へのステップ−最近の事情」というテーマでお話をうかがいました。 |
| 前回のセミナーのあと、いくつか質問をいただきました。まず、それらの質問にお答えしてから、今日のテーマに入りたいと思います。 はじめに「統合失調症」と「神経症」の回復過程についてですが、共通点は、「時間がかかること」「苦しいということ」です。異なる点は、回復過程で表に出てくる問題の種類です。 つぎにカウンセリングが有効かどうかということですが、先ほど述べたように回復には、時間が必要で苦しさも伴います。それに耐えるためにカウンセリングも必要だと思います。ただし、費用もかかるし、カウンセリングにも限界があります。ですから、カウンセリングでなくても、時間や苦しみを共有してくれる友人や自助グループがあるといいですね。最近はインターネットでも情報が得られますから、自分にぴったりくるものを探してみてください。 自分の抱えている問題をすべて一個人と共有することは無理です。それぞれの人が持っている専門性や能力、人柄に応じて、複数の人たちとつながることが有効です。私がカウンセリングをしている患者さんで良くなっている人も、私のカウンセリングだけで回復しているわけではありません。私のほかにも好影響を与えている何かがきっとあると思います。 それでは、今日のテーマである「最近の動き」についてお話しします。皆さんは、「ヒアリング・ヴォイシィズ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。「幻聴」と言った方が分かりやすいでしょうか。 「幻聴」は、悪い病気の症状としてとらえられてきました。今までは「幻聴」があるということを隠す人が多かったのですが、「ヒアリング・ヴォイシィズ」として、特殊なことでなく、多くの人々に起きる現象としてとらえ直す動きがあります。生活に支障がなければ幻聴があっても、病気ではないと思います。 医療の世界では限界があることを同じ体験をしている人同士がつながって、回復のために獲得した知恵を共有していこうという動きを「ヒアリング・ヴォイシィズ」は象徴しています。 自分の「幻聴」を公にすると治療が強化されたり、周囲から変な目で見られたりすることがあります。だから、「幻聴」をタブー視してしまうのですが、それでは回復は望めないでしょう。心の問題は対人関係の問題ですから、今まで触れられなかったことを他人と話題にできることは、回復している証拠です。 「ヒアリング・ヴォイシィズ」を話題にして話をしていますが、これはACの人たちが抱えている問題についても同じことが言えます。ACの人たちの中にも、自助グループですぐに自分のことを話せる人とそういうことが苦手な人がいます。それは、いい悪いではなく仕方がないことです。グループよりもカウンセラーと一対一の方が話がしやすいという人もいるでしょう。無理をしないで、自分にとって合った方法を選択すればいいと思います。 |
(文責:編集部/講演日:2002年11月) |